96年、米国三菱自動車製造のセクハラ事件で請求された賠償金額は約220億円。和解金は50億円程度で収まったもののセクシャルハラスメントが会社にとっていかに打撃を与えるかを学ぶことになったケースである。そして99年4 月の改正雇用機会均等法施行によってセクハラ行為に適切な措置をとらなかった企業は労働環境調整義務違反を問われることになった。要するに「セクハラは当事者の問題」とノンキに構えていられる時代は過ぎ去ったのである。アメリカのみならず日本でも企業に対する損害賠償額は高額化しており、1000万円前後の訴訟はもはや珍しくないという。保険会社でもセクハラ訴訟に備えた商品を販売するほどで、セクハラ対策への社会的関心は深まりつつある。となれば管理職たるものセクハラ対策に手ぬかりがあってはマネジメント能力が疑われてしまう。「では、いったいどのように対策を立てるべきか」に応えてくれるのが本書である。著者はともにセクハラ問題に詳しい弁護士。まずセクハラの定義から始まって日米のセクハラ訴訟例をひきながら企業責任
を問われる理由、対策の必要性を丁寧に解説している。お役立ちは職場のチェックリスト、セクハラ実例研究と東京都労働経済局の「職場におけるセク・ハラ防止マニュアル」。セクハラ対策が整備されていない企業も同書をテキストにしながら社員同士が意見を交わすことでセクハラ対策のガイドラインを築くことができよう。(松浦恭子)
内容(「BOOK」データベースより)
セクシュアル・ハラスメント対策は企業のリスク管理上重要な問題です。セクシュアル・ハラスメント事件が、従業員のモラールダウンや消費者の不買運動、企業のイメージダウンにつながる恐れがあります。問題を起こさないための意識改革が何より大切ですが、もし起きてしまったときにすばやく適切に対応できる社内体制作りも重要です。本書は、国内や海外の事例や判例を数多く取り上げ、より深い理解が得られるよう工夫しました。



